【生活】どこでもスモールトーク

アメリカ生活の不思議

アメリカで外出するとき、予期せず知らない人と突然始まる会話、それがスモールトーク(small talk)です。日本語にすると、雑談とか世間話なんですが、「全く知らない人と」することがけっこうあるんです。日本の生活ではそれほど遭遇することはなかったので、渡米直後はかなり戸惑いました。

 

スモールトークとは?

日本語で「雑談」と言いましたが、本来はただの世間話のようなものではないようです。スモールトークには、相手との距離を縮めたりする重要な役割があって、人間関係を築くのに非常に役に立つのです。それほど重要でない、ちょっとした会話を楽しむことで、良い雰囲気を作りだし、時間を共有することがビジネスの場でも有効なのだそう。

とは言え、私が直面するのはこれから人間関係を築こうとする人たちとの会話ではありません。通りすがりの、もう二度と出会わないかもしれないような人たちといかに気持ちよく社交辞令を交わすかが、それから何年も自分の課題となっていると言っても過言ではありません。

 

スモールトークは突然に

ある日、娘とスーパーに買い物にでかけた時、冷凍食品の棚の前で何を買おうか迷っていたので、ぼーっと立っていたら若い女性に「Excuse me.」と声をかけられました。

あ、邪魔だったね、ごめんなさいと思い、その場を離れたら、その女性はついてきて、

「ねぇ、そのジャケットステキ。どこで買ったの?」「え、これ?これは日本で買ったものなの」と答えると、「そうなんだ。どこに売ってるのかと思って。じゃ、バイ」と行ってしまいました。

え?それを聞くためについてきて呼び止めたの?とびっくりしました。日本人なら知らない人にそんなことは聞かないし、そんなに珍しいものでもなくてただのコートだったので余計に驚きでした。

 

またあるときのスーパーでは、安売りしていた缶詰の前でおじさんが「これ安いよね、僕は一人暮らしで料理しないから助かるよー」と話しかけてきて、「これ、おいしい?」とかさんざん質問して帰っていったり。

いろいろな公共の場で突然話しかけられるので、本当に気が抜けないのです。

 

効果的なスモールトークとは?

そして急に話しかけられるので、それに上手く返せないことがよくあります。そんなときは「こう言えばよかった…」と後悔。後で復習しても、次の機会も急に話しかけられるので、また返せないんですけどね。

では、スモールトークに効果的な話題とは一体なんなのか?自分から話しかけることはほとんどないのですが、どんな話題なら会話がスムーズに進むのか考えてみました。

会話が途切れないようにする

YesかNoかで答えられる質問は、会話がそれで終わりがちです。実際、話しかけられて、YesかNoで答えた後にそれで会話が終了してしまうと相手はなんだか物足りなそうです。そんなときは、質問と同じことを繰り返すのも効果的です。

例えば、「It’s cold this morning, isn’t it? 」「Yes, it is cold」とか。そうして時間稼ぎをしてから、明日も寒いみたいとか昼間はあったかいよねとか続けることもできます。

 

プライベートな話はしない

ま、常識的に考えればそうですよね。ただ、外国にいると宗教や政治の話もNGな人も多いので、気を付けています。「日本人は天気の話が好き」なんてよく聞きますが、私たちも自然に当たり障りのない話題を選んでいるのかもしれませんね。

日本人はその場の雰囲気を感じて「空気を読む」なんて言葉がありますが、アメリカ人にもその場の雰囲気を大事するということが重要であったりします。家族やバックグラウンドなど、あまり突っ込んだ質問はあまりされませんね。

 

とにかく褒めてみる

誰かと仲良くなりたいとき、相手の洋服や持ち物を褒めると一気に距離が近くなります。「その服ステキ!」とか「そのアクセサリーどこで買ったの?」とか聞いてみると、とても喜んでくれます。地域のお得な情報も得られたりするので、私たち外国人にとっても嬉しいです。

ただし、外見に関することは避けたほうがよさそうです。人によって不愉快と感じることがあります。髪型やネイルなどはもちろんOKです。

 

まとめ

渡米した直後は、誰かに話しかけられるのが苦手でしたが、事前にある程度準備をして回数を重ねればだんだんと慣れてきます。相手がどういうフレーズで話しかけているかを勉強することもできます。

「恥はかき捨て」なんて言葉もありますが、もう二度と会わないような通りすがりの人になら、間違っていてもどんどん話しかけてみましょう。