「人生で一度は見ておきたい」とも言われるオーロラ。北アメリカ大陸にあるアラスカは、世界有数のオーロラ観測ポイントとしても知られています。特にオーロラ活動が活発になると言われている2024年、アラスカで2番目に大きな街である「フェアバンクス」へオーロラを見に行ってきました!
フェアバンクス(Fairbanks)には、オーロラ観測の研究施設があり、世界中から研究者たちが集まっているほどオーロラ観測に適している場所であることがわかります。また、年間平均約240日ほどもオーロラ現象が起きると言われているなら、見に行かないわけにはいきません。
また、フェアバンクスの魅力はオーロラだけではないんです。今回は、2泊3日のオーロラの旅についてご紹介したいと思います。
アラスカに温泉?!
フェアバンクスは市内どこでもオーロラが見られると言われています。
ですが、さらに明かりの少ない郊外の方がキレイに見られるということで、フェアバンクスから車で1時間くらいのところにあるリゾート施設「チナ・ホットスプリングス」(Chena Hot Springs)に泊まることにしました。私たちは空港からはレンタカーで行きましたが、ホテルのシャトルバスも利用できるようです。
ここには、アクティビティセンターという建物があって、オーロラが出るまで屋内で待機できます。この建物の中は暖かく、カフェやお土産屋さんもあるので、テーブルでコーヒーを飲んだりしながらオーロラが出るのを待つことができるのです。すぐ隣にオーロラを観測できる場所があり、ツアーと違って好きなときに好きなだけオーロラを楽しめます。
そして、この施設には、なんと天然温泉がついているんです。露天温泉につかりながら、オーロラ鑑賞ができちゃいます。とは言え、実際は外気が低すぎて温泉の湯気が多いので、浸かりながら見るというのは難しいようです。
もちろん水着着用ではありますが、意外と温度も高く、気持ちよかったです。ただ、日本の温泉のように座って浸かれる深さではなく、プールのように立ったまま入ります。なので、子どもは入浴NGでしたが、隣接しているホットタブには子どもも入れます。
露天風呂では、入浴中に髪の毛や眉毛が凍る珍しい体験ができます。体は暖かいのに顔が寒いという不思議な感覚でした。ちなみに温泉は少し硫黄の匂いがしました。
チナ・ホットスプリングは、宿泊する部屋も敷地内にいくつか棟が分かれていて、温泉やアクティビティセンターも少し離れて立っています。なので、温泉に行くにも日本の温泉施設のように部屋からお風呂まで屋内を移動することができません。一度、極寒の外へ出て、温泉のある棟まで歩いていきます。中に入ってからも室内のプールまではつながっていますが、露天風呂やホットタブまでは10mくらい水着で歩いていかなければならないのです。外は-30℃の世界。これは地味にきつかったです。
オーロラ・アイスミュージアム
こちらは、チナ・ホットスプリングスの中にあるミュージアムです。外観はまさに氷のお城。全てが氷で作られた大聖堂になっています。
中に入ると氷の壁や天井はもちろん、シャンデリアや彫刻などにもオーロラ色の光が灯っていて、幻想的です。また、ここには氷のグラスでお酒がいただけるアイスバーもあるんです。
チナ・ホットスプリングスに宿泊しているのであれば、ぜひ行ってみたいところです。個人では入場できないので、アクティビティセンターでツアーの予約をしていきます。1日5回ほどの時間制でした。
本当にオーロラは見えるのか?
さて、本題の「オーロラが見られるのか」というところですが、初日にアクティビティセンターの待機場所で夜9時くらいからオーロラを待っていました。その間、オーロラ予報や現在の様子などが見られるサイトをチェックしたり、本を読んだりしていましたが、オーロラが現れる気配はなし。

ここからさらに人口の光が少ない山奥へ雪上車でオーロラを見に行けるツアーもあったようで、何回かツアーに参加する人たちが出発していきました。夜も遅くなってきたので、旦那さんと交代でオーロラを待つことに。結局この日は夜中になってもオーロラは現れず、見ることはできませんでした。
「晴れていればほとんど毎日オーロラが見られる」なんて言われて、甘くみていました。もしかしたら目に見えないくらい薄いオーロラが出ていても、それは「見られる」ということなのかも…と少し弱気になってしまいました。
2日目。ここでオーロラが見られなければ、ただめちゃくちゃ寒い場所に泊まりに来ただけになってしまう。今日こそは絶対に見たい!と、夜7時くらいから待機を始めました。オーロラ予想もこまめにチェックし、外にも30分置きくらいに確認しに行きました。
すると、なんだか周り人たちの様子が慌ただしくなってきたので、もう一度オーロラ予報をチェックしてみると、何と少しだけ出始めているではありませんか!旦那さんと娘を連れて、外へ出てみるとうっすら白い帯のようなものが見えていました。写真に撮ると、少し虹色に。肉眼ではこういう色には見えないのが不思議です。
それからだんだんと、オーロラの範囲が広くなり、色もだんだんと濃くなってきました。夜11時くらいから始まって、1~2時間続いていたと思います。オーロラのカーテンがゆっくり揺れているのも見ることができました。本当に神秘的で、美しい景色でした。
服装や持ち物
アラスカでの服装は?
外は-30℃の世界。なんて言われてもいまいちピンときませんよね。ところが、空港から出るとその寒さは想像以上でした。私たちが訪れたのは11月下旬でしたが、十分寒いです。また、アラスカは日照時間が短いので、余計に寒い時間が長いのです。
チナ・ホットスプリングスにはウェアのレンタルもありますので、荷物がかさばって嫌だなという方にはいいかもしれません。私たちは、レンタルにお金をかけるのも…と思い、持っていくことにしました。オーロラを鑑賞したときの服装ですが、以下の通りです。
手袋は2枚重ねで、普通の手袋の上にスノボ用の手袋をしました。靴下は暖かい厚めの靴下にハイキングシューズ。特に手先や足先が冷えやすいので、なるべく空気の層が入る大き目のものを着用するといいと思います。
あと、帽子や耳当てなんかもあったほうがいいです。後悔したのは、マスクを持って行かなかったことです。肌が出ているところは漏れなく寒いですので、顔を覆うマスクがあるといいと思います。マフラーを顔に巻いたりしてもいいかもしれません。
また、ホテルの部屋ですが、空調は自分で調節できません。そして外よりは暖かいという程度で、室温は20℃なかったんじゃないかというくらい少し寒いです。室内で過ごすのも暖かい服装が必要です。
持ち物
温泉に入るなら水着を忘れずに。タオルは貸してもらえます。あと、靴は入口に置いていくので、サンダルがあったほうが足が冷たくなくていいかもしれません。更衣室の床も少しヌルヌルしているので。
困るのは食事でしょうか。チナ・ホットスプリングスにはレストランがありますが、1つしかないのと、あまり広くないのでいつも混んでいます。他に特にやることもないので、待つのもいいかもしれませんが、子ども連れであればすぐに食べられるものを買っておくのもいいと思います。
フェアバンクスの市内にはスーパーもあるので、すぐに食べられるパンなどを買っておくと安心です。アクティビティセンターには電子レンジもありますので、簡易食品を持っていけます。
さいごに
補足ですが、フェアバンクスから車で約1時間くらいのところにサンタクロースの街、ノースポール(North Pole)があります。ここには、サンタクロース・ハウスがあります。
中にはクリスマス関連のオーナメントやお土産、サンタクロースからの手紙なんかも売っています。全部かわいくて、見たら欲しくなるやつです。サンタクロースもいました。サンタクロースとお話できたり、写真を撮ったりもできます。
今回のオーロラ鑑賞旅行、環境は過酷でしたが本当に素晴らしい瞬間に遭遇することができました。人生観が変わるような神秘的な現象を見ることができたのは、本当に極寒に耐えた甲斐があったというものです。機会があれば、ぜひ訪れてみてほしいと思います。